


開発ストーリー
これまで、数えきれないほどの場所を旅してきた。
その中でも、心に深く刻まれているのは、
千葉県香取市・佐原の町を歩いたあの日のことだ。
小野川沿いに続く歴史ある町並み。
伊能忠敬旧宅をはじめ、
国や県の文化財が軒を連ねるその景色に足を止めたとき、一人のガイドさんが、優しい声で語りかけてくれた。

〜 ガイド 〜
「江戸情緒あふれる古き良き町並みですよね。
この町は、代々受け継がれてきた家業を守りながら、
今も営業を続けているお店が多く、
“生きている町並み”として高く評価されているんです。
伊能忠敬もこの町で暮らし、
一歩一歩測量して、日本地図をつくったんですよ。」


彼女の語りは、まるで物語のようだった。
佐原の商家が果たした役割、伊能忠敬が歩いた数え切れない道のり。
その一つひとつが、私の心に静かに染み込んでいった。
その瞬間、「ただの古い町並み」だった景色が、まるで命を吹き込まれたように変わった。
一軒一軒の建物が歴史を宿した舞台となり、
小野川のほとりで生き生きと暮らしていた江戸の人々の姿が、目の前に浮かび上がった。
地図の上に描かれた線が、確かにこの町から始まっていたのだと、
胸の奥で感じた瞬間だった。

あれから年月が経った今でも、日本地図を見るたびに、
佐原の旅と、あのガイドさんの声がよみがえる。
彼女の語りには、文字では伝えきれない“想い”が宿っていた。
伊能忠敬が歩いて地図を描いたように、彼女の声は私の心に景色を描いてくれた。

風景は、目で見るだけではない。
“耳”でも観ることができるのだと、気づかせてくれた出来事だった。
だからこそ、知識と経験を持つ
ガイドさんの物語に触れられる旅を、もっと多くの人に届けたい。
誰もが、どこでも、より手軽に、物語を受け取り、
見える景色が変わる瞬間を体験できるように。
その想いが、「モアホン」誕生のきっかけとなった。
“耳”で観ると、世界はもっと広がる。
MEMBER
メンバー

木村 文香
AYAKA KIMURA
MORPHONE Lead / Business Strategy Design
パナソニック㈱
スポーツエンターテイメント推進部

持田 登尚雄
TOSHIO MOCHIDA
MORPHONE Sub Lead
パナソニック㈱
スポーツエンターテイメント推進部
